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件名

第1267号 農業者が将来に希望を持てる持続可能な農業の確立を求める意見書

本会議議決結果

議決年月日:令和8年10月13日
議決結果:可決

内容

 議第11号

   農業者が将来に希望を持てる持続可能な農業の確立を求める意見書

 近年、各国の関税政策の変更や国際紛争などにより国際情勢が大きく変化する中、食料や農業生産資材の国際価格、物流コスト等も不安定な状況にあり、食を取り巻くリスクはこれまで以上に高まっている。
 国内においても、肥料、飼料、農薬、農業用資材、農業用機械、電気料金及び燃料等の価格高騰が長期化している一方、農産物の販売価格への十分な転嫁が進んでおらず、農業者の経営を圧迫している。
 さらに、気候変動の進展に伴う記録的な高温、豪雨、干ばつ等による農作物の収量や品質への影響が深刻化している。加えて、農業従事者の高齢化や担い手不足、農業用水利施設等の生産基盤の老朽化など、我が国の農業は構造的な課題にも直面している。
 特に米については、需給や価格の変動が生産者・消費者双方の不安につながっており、いわゆる「令和の米騒動」を契機として、食料安全保障の重要性が改めて認識されたところである。
 我が国の食料安全保障を確保するためには、農産物の安定的な供給だけではなく、農業者が十分な所得を得られ、将来にわたり再生産可能な経営を継続できる環境の整備が不可欠である。
 本県は、米をはじめ、麦、大豆、園芸作物、畜産など多様な農業が営まれ、首都圏の重要な食料供給基地として大きな役割を担っている。そのため、本県農業の生産力・収益力を維持・向上させることは、県民の生活を支えるのみならず、我が国全体の食料安全保障の強化にも直結するものである。
 よって、国においては、農業者が安心して営農を継続し、次世代へ農業を引き継ぐことができる持続可能な農業政策を確立するため、次の事項について取り組むよう強く要望する。
                   記
1 新たな水田政策の実施に当たっては、地域の営農実態や農業者の経営状況、水田の多面的機能を十分に踏まえ、円滑な移行に配慮するとともに、需要に応じた主食用米の安定生産を推進すること。また、政府備蓄米の機動的な買入れ・買戻しによる需給・価格の安定、国産米の消費拡大・輸出促進、飼料用米等の戦略作物への支援を強化すること。
2 肥料、飼料、農薬、農業用資材、農業用機械、電気料金及び燃料等の価格高騰による農業経営への影響を踏まえ、実情に応じた継続的かつ実効性のある支援を講じるとともに、生産コストを適正に農産物価格へ反映できる仕組みを構築し、消費者や流通・食品関連事業者の理解を促進すること。また、国内資源を活用した肥料・飼料の生産や地域内資源循環を推進し、安定的な生産体制を確立すること。
3 農産物価格の変動に加え、生産資材価格の高騰、異常気象、自然災害、病害虫等による収量・品質低下など、多様化する農業経営上のリスクに対応できるセーフティネットを構築するとともに、生産コストの上昇による実質的な所得減少にも適切に対応できるよう制度を見直すこと。また、農業共済制度及び収入保険制度について、補償内容や保険料負担等を改善し、農業者が利用しやすく実効性の高い制度へ充実・強化すること。
4 農業の生産性向上に向け、気候変動に対応する高温耐性品種の開発・普及や栽培技術の高度化、スマート農業・AI等の先端技術の導入を促進するとともに、農業用水利施設や農道等の老朽化対策及び防災・減災対策を計画的に推進すること。併せて、多様な担い手の確保・育成、農地の集積・集約化、経営の法人化・事業承継等を支援し、持続可能な地域農業を構築すること。
5 国際情勢の変化や自然災害等による食料供給リスクに備え、農地、農業用水、農業人材、農業技術及び農業用施設を我が国の重要な社会基盤として位置付け、国内の農業生産力を維持・強化すること。そのため、農業者が十分な所得を確保し、再生産可能な経営を継続できるよう、中長期的かつ安定的な財政措置を講じるとともに、国と地方が連携して地域の実情に即した持続可能な農業政策を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和8年10月13日

                     栃木県議会議長  関 谷 暢 之

  内 閣 総 理 大 臣
  農 林 水 産 大 臣  宛て
  内 閣 官 房 長 官
  衆 参 両 院 議 長

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